高橋国光様

 私のモータースポーツ人生も60年を超えようとしています。その扉を開いてくれたのは、紛れもなく貴社の先代社長酒井文人氏(故人)でした。

 今から59年前の1958年、酒井氏は出版業の傍ら浅間高原で日本初のアマチュアライダーたちが参加できる本格的な二輪ロードレース大会、第1回全日本モーターサイクルクラブマンレースの開催に尽力され、そこにデビューし、ジュニア350㏄クラスで優勝したのが18歳の私でした。

 浅間を皮切りにホンダワークス入りした私は二輪の世界グランプリへ挑戦、1961年の西ドイツGP250㏄レースでは日本人として初優勝し欧州に日章旗を揚げることもできました。以来今日まで四輪レース界へと転身し、国内外で数え切れないほどのレースを多くの仲間たちと戦い続け、今はレーシングドライバーから総監督へと立場は代われども、自らレーシングチームを持ち、情熱を持ち続け、七十半ばを過ぎた今もモータースポーツの世界に生きています。

 それは半世紀前に世界GPの地、欧州で出会った現地の人々に根付くモータースポーツ文化の深さを、少しでもわが日本にも浸透させたいという信念に支えられています。そしてそれは、クラブマンレースの開催に心血を注いだ貴社の酒井文人氏が願って止まなかった夢でもあるのです。

 酒井氏のご子息で現八重洲出版社長の酒井雅康氏をはじめ、貴社の皆様方には酒井文人氏の志を受け継ぎながら、貴社の未来をさらなる発展へと導かれるよう祈念してご祝辞に代えさせていただきます。

チームクニミツ代表
高橋国光(たかはし くにみつ)
◎高橋国光様プロフィール
1940(昭和15)年東京生まれ。元レーシングライダー&ドライバー。1958年の初レースから国内外の二輪、四輪合わせて500に迫るレースに名勝負を繰り広げ通算71勝の輝かしい成果を残す。現役引退後もチームクニミツを率い国内最高峰の自動車レース「スーパーGT」に参戦中。ゴールドスター ドライバーズクラブ会員。